「ホームページは公開しているのに、ネット予約が増えない」 「診療時間や持ち物の問い合わせ電話で、受付の手が止まってしまう」
院長先生やクリニック経営者の皆様から、このようなお悩みを伺うことが少なくありません。制作会社に任せて作った「立派なデザインのサイト」であっても、医療現場の実態に即した設計になっているとは限らないのが実情です。
その原因の多くは、ホームページにおける「患者目線」の設計が抜け落ちていることにあります。
本記事では、現役薬剤師として医療現場に立ち続けながら医療機関のWeb制作を手掛けてきた立場から、「患者が離脱するクリニックホームページ」に共通する落とし穴と、BSP Designが現場で培ってきた設計の判断基準を解説します。
そもそも「クリニックのホームページにおける患者目線」とは
一言で言えば、「自分が患者の立場でこのサイトを見たらどう感じるか」という視点です。
医療機関を訪れる理由は、風邪・怪我・慢性疾患の通院など多岐にわたります。誰もが一度は患者として医療機関にかかった経験があるため、「患者目線」は他業種よりイメージしやすいテーマと言えるでしょう。
ただし、イメージしやすいことと、実際にサイト設計へ反映できることは別です。実際の現場では、思わぬところで患者目線が抜け落ちてしまうケースが少なくありません。
患者目線の落とし穴|現場で見かける典型パターン
ここでは、実際の医療現場で目にする「患者目線が抜け落ちたサイト」に共通するパターンを3つご紹介します。
1. 専門用語が、患者さんには伝わっていない
1つ目は、専門用語をそのまま掲載してしまっているケースです。
「医療者の常識は患者の非常識」という言葉は有名ですが、意識していないとつい忘れてしまうことでもあります。
ただし、専門用語が使われていることで専門性が伝わり、それが信頼感につながる効果もありますので、バランスが重要です。
きっちり伝えたいことはわかりやすい言葉を選び、専門性を発揮したい部分は権威性を伝えつつも丁寧に解説する。それが、患者様がホームページを見てどう感じるかに直結します。
2. 知りたい情報が、必要な人に届いていない
2つ目は、ウェブサイトの閲覧者が、知りたい情報をうまく見つけられていないケースです。
そもそも、患者さんがクリニックのホームページを閲覧するのは、どういう時でしょうか。
- 新しく通うクリニックを探している
- 今の自分の症状を診てもらえるクリニックを探している
- クリニックの営業時間や休診情報を確認したい
新患の患者さんであれば、クリニックの内観や口コミ、場所、専門性などが重要な情報となります。また、頭痛や風邪、疼痛といった急性症状の場合は、「こんな症状はありませんか?」のように該当する内容が書いてあれば、受診しようと思っていただけるでしょう。
ゴールデンウィークや年末年始の前は、休診日の情報をホームページで確認しようとする方が増えます。そのため、定期的な情報発信も効果的です。
一方で、ホームページは患者さんだけでなく、医療関係者や求職者など、さまざまな方が閲覧します。「患者目線」とは異なりますが、こうした方々にもわかりやすく情報を届けることは非常に重要です。ニーズに合った情報を適切に公開しておくことで、無駄な問い合わせの削減にもつながります。
ただし、これらの情報をホームページ内で混ぜてしまうと、お互いにとって不要な情報が交錯してしまいます。どのページが誰に向けたものなのか、表示する優先順位はどうかといったターゲット設計を丁寧に行うことが大切です。
3. スマートフォンでの操作性が考慮されていない
3つ目は、スマートフォンでの操作性です。
現在、クリニックのホームページにアクセスする患者さんの多くはスマートフォンを使用しています。にもかかわらず、PC画面を前提に作られたサイトでは、文字が小さい・ボタンが押しにくい・電話番号がタップできないといった「小さなストレス」が積み重なってしまいます。
体調が悪い患者さんが片手でスマートフォンを操作している状況を想像すると、PCと同じ操作性を求めることが、いかに患者目線から離れているかが見えてきます。
患者目線のホームページを作る、3つのテクニック
クリニックのホームページは、閲覧者によってページの役割が大きく異なります。診療科や立地によって患者層も多岐にわたるため、Web制作会社は既存の枠組みにとらわれず、お客様ごとに丁寧に情報設計することが大切です。
一方で、「クリニックのホームページ」という共通点で使えるテクニックも存在します。ここでは、その一部をご紹介します。
1. 電話番号は「タップで電話できる」状態にする
昨今では、多くの方がスマートフォンでサイトを閲覧しています。
そのため、患者さんが今すぐ電話をかけたいと思った時に、番号をタップしてそのまま発信できるようにしておくことが重要です。
体調が優れない患者さんが、わざわざ番号を覚えてダイヤルパッドに入力する負担を考えると、この一手間の有無は受診の意思決定を左右します。
また、電話番号の近くに「よくある質問」や診療時間などの情報を併記しておくことで、不要な問い合わせの削減にもつながります。
2. 「院長紹介」で診療姿勢を伝える
院長先生のご経歴は、患者さんが信頼を寄せる手がかりの一つとなります。
一方で、「この先生は自分の悩みに寄り添ってくれるか」という診療姿勢も同じくらい重要です。
患者さんの状態に寄り添った言葉や、いつでも丁寧に診てもらえると感じられる安心感を伝えることで、「ここなら受診しやすそう」と思っていただける院長紹介ページになります。
3. ページが開くまでの「3秒」の壁を意識する
表示が遅いことは、特に医療機関のサイトにおいて致命的なストレスになります。
体調が悪い中、あるいは移動中の僅かな時間に検索している患者さんは、表示に3秒以上かかるサイトからは容赦なく離脱してしまいます。
表示を速くするためには、ホームページ制作時に画像の最適化や軽量なシステム構成といった土台作りが欠かせません。加えて、公開後にご自身でコラムやニュース記事を投稿される際にも、画像サイズや埋め込み要素への配慮が必要です。
なぜ、患者目線の欠如が起きるのか
なぜ、プロの制作会社に頼んでもこのような事態が起きるのでしょうか。
それは、一般的な制作会社が「Webのプロ」であっても、「医療現場のプロ」ではないからです。
Webのトレンドや見た目の美しさを優先するあまり、
- 患者さんが待合でよく訴える悩みやトラブル
- 受付で繰り返される「よくある質問」の重み
- 医療広告ガイドラインの制限下で、いかに誠実に情報を伝えるか
- 高齢の患者さんにとっての視認性の重要さ
といった医療現場特有の背景が設計に反映されにくく、結果として「クリニックのホームページとしての患者目線」が実装しきれないケースが起きてしまうのです。
現場を楽にし、患者を迷わせないBSP Designの設計基準
BSP Designでは、代表が薬剤師として現場の負荷を肌で感じてきた経験から、独自の設計判断基準を設けています。
「問い合わせ電話を減らす」ための情報整理
私たちは、単に「問い合わせを増やす」ことだけをゴールにしません。
「今の診療時間は?」「初診に何を持っていけばいい?」といった確認の電話は、サイト上の導線設計一つで大きく減らすことができます。現場のスタッフが本来の業務に集中できるよう、FAQや診療案内を「患者さんが迷う前に目に入る場所」へ配置します。
Astro/Jamstackによる「待たせない」技術選定
私たちは、表示速度とセキュリティに優れた「Astro/Jamstack」というモダンな技術を標準採用しています。
従来のシステムよりも高速な表示を可能にすることで、患者さんの離脱を防ぎ、ストレスのないホームページとなるよう設計しています。
医療機関ならではの問い合わせ削減手法
医療機関特有の問い合わせ、それは疑義照会をはじめとする医療関連の多くのやり取りです。
弊社の制作では、「問い合わせ簡素化プロトコル」の制作支援や、患者さん紹介に対する導線設計など、医療関係者目線での問い合わせ削減手法を独自のノウハウとして蓄積しています。お客様の業務負担を削減できるよう、現場に即した設計を行っています。
まとめ|信頼は「使いやすさ」から生まれる
クリニックのホームページにおける真の患者目線とは、単に優しい言葉を並べることではありません。
「知りたい情報がすぐ見つかる」「操作に迷わない」「ストレスなく表示される」といった、一つひとつの誠実な設計の積み重ねが、医療機関としての信頼感へとつながります。
- 今のサイトを、より使いやすいものにしたい
- 現場の負担を減らしつつ、集患にもつなげたい
- 保守管理を任せて、ホームページに関わる負担を軽減したい
そうお考えの院長先生は、ぜひ一度BSP Designにご相談ください。
医療現場を熟知した薬剤師の視点から、貴院の想いを「伝わるデザイン」へと形にいたします。